2011年1月29日土曜日

第22回 製薬政策セミナーに参加して

1月20日(木)14:00から17:00まで日本橋三井ホールで開催されて製薬政策セミナーに参加した。日本製薬工業会が主催したもので、昨年6月に閣議決定した新成長戦略の中で「ライフイノベーション」http://d.hatena.ne.jp/scicom/20100618/p1で健康大国戦略は2020 年までの目標は
『医療・介護・健康関連サービスの需要に見合った産業育成と雇用の創出、新規市場約50 兆円、新規雇用284 万人』と示されており、世界第3位の新薬創出力をこれからの日本経済の成長を牽引する産業と位置付けている。
 今回のセミナーは「新成長戦略と製薬産業」をテーマに行政、アカデミー、産業からのそれぞれの立場から意見を述べている。
基調講演に京都大学大学院医学研究科薬剤疫学教授の川上浩司氏
パネルディスカッションパネリストに厚生労働省大臣官房審議官の唐沢 剛氏、経済産業省大臣官房審議官 川上景一氏、日本製薬工業会副会長の竹中登一氏、大阪大学大学院医学系臨床遺伝子治療教授の森下隆一氏、東京女子医科大学医療政策教授の渡辺俊介氏が登壇した。
・川上氏の発表によると、2009年の米国景気対策法によると国立衛生研究所(NIH)の予算が2008年に一位だった軍事関係予算(DOD)と入れ替わり1位になっている。わが国でも内閣府に健康研究推進会議を置き関係大臣や有識者により構成されている。
・唐沢 剛氏によると、新成長戦略は7つの戦略分野があり「ライフイノベーションによる健康大国戦略」はそのひとつであり、飛躍的な成長が望まれる医薬品・医療機器・再生医療等のライフサイエンス分野において、我が国の技術力・創造力を発揮する仕組みより、新たな需要と雇用の創造が期待されている。革新的新薬・医療機器、再生医療、生活支援ロボットの開発実用化とともに、ドラグ・ラク、デバイスラグの解消(早期承認)を期待している。
・川上景一氏によると、日本の国際競争力が1990年には1位でしたが2010年には27位に下がり、新たな成長産業・輸出産業の創造が不可欠で、高齢化による世界的な市場拡大が期待される衣料品産業の重要性を指摘している。ただ、日本ではバイオベンチャーが育っていないのが問題。産業ビジョン2010で、戦略5分野を紹介しているが、その中で「医療・介護・健康・子育てサービス」と「先端分野(ロボット、宇宙、バイオ医療品等)」の2つが入っている。これを促進するために中小機構活用やベンチャー支援(投資促進)が注目されている。
・竹中登一氏によると、日本の製薬企業の成長は1961年の国民皆保険制度がきっかけとなり日本発の多くの新製品を生み出した。1989年に始まったヒトゲノム計画が2001年2月にNature誌に全解析結果が発表されたことにより、多くの疾患関連の遺伝子が発見され、新規創薬的分子の発見、個々の医療の進展がみられた。新規創薬のために企業・大学・患者の連携が必要である。日本の製薬企業数は380社、従業員16万人(内研究者2,7万人)、売上高8.9兆円、研究費1.3兆円(売上比率20.2%)です。製薬産業の役割は、新薬の創設、日本経済の貢献、研究の推進、国民の健康安全です。
・森下隆一氏によると、希少疾患のための創薬のオーワァンドラグと未承認薬問題として患者数が少ないため、薬価によっては採算が取れない、アジア人の難病解決にリーダーシップ発揮が必要、ベンチャー企業への資金支援と製品化までの期間短縮が必要

 病気は約3万種類あるといわれていますが、そのうち治療手段があるものは約4分の1です。
アルツハイマー病や糖尿病の3大合併症(腎症、網膜症、神経障害)、エイズなどでは、決定的な治療薬がなく、治療の満足度が低い病気もすくなくありません。このように、まだ医療ニーズが満たされない療育では、革新的な新薬の創出が待望されています。

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